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IBJの選択は二つしかないですよね。

方法一はしょうがない、T社が借りてくれないから5年の国債を買いましょうという選択。 ところがこの前も話していますけど、イールドカーブというのは通常右上り。
そして同じ期間なら信用が低ければ低いほど金利は高くなっちゃう。 だとすると5年債どしで比べるとIBJ債というのは国債よりも必ず金利が高い。
という5年の利付債で集めたお金で5年の国債を買えば5年間逆ざやを確定することになりますよね。 お金が集まれば集まるほど確実に損が膨らんでいく。
方法二。 誰も固定で5年間借りてくれない。
借りてくれなければしょうがない。 T社に5年貸すけれども、レートは変動金利で6カ月ごとに見なおしましょう、という方式を受けいれる。
住宅ローンの変動金利と同じですね。 6カ月LIBORプラス1%。
6カ月LIBORそのままじゃ貸さないですよね。 LIBORは銀行間の取引のレート、すなわち却値ですから、それにプラス1%つける。
イールドカーブは最初の6カ月間、5年、8%。 6カ月、7%だとします。

6カ月LIBORプラス1%は8%。 5年の調達コストも8%、ですから、8%で貸しても損しない。
半年はよかった。 ですけど、皆が思ったとおり6カ月たったら金利が下がっちゃった。
イールドカーブも全体的に下がった。 例えば以前7%だった6カ月LIBORが5%になっちゃった。
5%プラス1%で6%。 5年の固定、8%で集めたお金を6%で貸さざるを得なくなっちゃった。
次の6カ月目から損している。 こんなことしていたら倒産してしまいますよ。
そこで、IBJはどうしたか。 しょうがない。
しょうがないからスワップ取引を始めたわけですね。 T社はM銀行から5年のフィックスの受け、6カ月LIBOR支払いのスワップをする。
5年のスワップレートと5年の利付債のレートどちらが高いか、よく分かりませんけれども、ほぽ同じレー卜で金利スワップの5年の固定レートは7.9%だと仮定します。 利付債は8%。
5年金利スワップの固定は7.9%だとします。 T社には6カ月LIBOR十1%の6カ月ごと金利見直し粂件で5年の貸し金をしている。
貸し金と金利スワップを加えるとどいうことが起こるか。 元本はIBJに入って、それをそのままT社に5年間渡します。

変動金利です。 利付債を発行していまずから、利付債の保持者に8%払わなくちゃいけない。
しかしM銀行から金利スワップの固定金利が半年に一度、7.9%入ってきます。 ここで0.1%の損。
そうしないと、分からなくなっちゃいますよ。 一方、T社から6カ月LIBOR+1%が入ってきますが、M銀行との金利スワップで、6カ月LIBORを支払います。
ここで1%残ります。 IBJはこれで生き延びられましたね。
0.9%の利ざやが手許に残るからです。 こういうことで興長銀が金利スワップを異常に使い始めました。
さっき私は金利スワップをすることによって長短分離もへったくれもなくなったと言いました。 ここで、その意味分かりましたよね。
IBJはまさに長期のお金を集めて、金利スワップをかませることによって、T社への短期貸しをすることができるようになったのです。 興長銀は長期にお金を借りて、長期にお金を運用しているわけじゃなくなっちゃった。
金利スワップをすることによって、長短の垣根がなくなっちゃった。 5年のお金を集めて、短期で貸しても、利益は確定できちゃう。
金利スワップをかまかせなければ長期調達、短期運用はできないですよ。 さっき言ったように最初の6カ月は儲かってもその後どなるかわからない、損しちゃうことも充分あるから怖くてできない。

だけど金利スワップをかませることによって確実に儲かる仕組みが出来たということなのです。 金融の教科書で金利スワップのところを見ると、変動金利と固定金利の交換とか、クレジットリスクの違うものをなんとかかんとかと書いてありますけど、今述べてきたこういう使い方が多いんですよということを一つ、覚えておいていただきたい。
今、銀行が貸し金の代わりに金利スワップをどんどんやっています。 さっき言いました。
金利スワップというのは貸し金の代替になりますよと。 今、銀行は、貸し金をしたくても、借り主がいない。
そこで金利スワップをすることによって収益をあげようとしているのです。 今現在、貸し金のかわりに、固定の受けが積み上がっているというのをよく聞きます。
それから金利スワップの他の使い方。 例えばT社。
今度はT社の立場になってみましょう。 M銀行からお金を5年で変動金利で借りている。

6カ月LIBORべースで5年間変動で借りている。 ところがどうもきなくさい。
金利が上がりそうだ。 どうしたらいい?どうしたらいいかといってもすでに5年間変動金利方式で借りちゃって、1年たっている。
あと4年間借り続けなくちゃいけない。 これを解約するには有形、無形のペナルティがある。
どうしたらいいか。 一つの方法としてはM銀行とスワップをやるんですね。
4年のペイ、6カ月LIBORの受け。 4年の固定金利が5%だとする。
T社は借入金の利息としてM銀行に6カ月LIBOR+1%払わなくちゃいけない。 しかしM銀行から6カ月LIBORの金利が入ってくる。
ここで1%の負担があります。 そして金利スワップで固定金利をM銀行に5%払っていますから、全体的には5%プラス1%で6%で、残りの4年間を固定に変えることが出来たわけです。
お金は借りちゃっています、もうすでに。 変動で借りていたんですけれども、金利が上昇しそうだということで、固定のペイの金利スワップをすることによって、金利上昇に備えられたのですね。
金利スワップとはこういう使い方もできるわけです。 これは一種のへッジですね。
企業として、どうやって金利スワップを使うか。 これは中小企業でもすでにやっているみたいですけれども、個人だって、使おうと思えばできますよ。

今は基本的に銀行が変動から固定に変換を認めていると思いますけれど、認めていないところであっても金利スワップを組むことによって、金利が上昇しそうなときに自分をプロテクトすることができるわけです。 図表4|日のT社のところを個人の名前を入れちまえばいいだけの話ですから。
ということで今日はここで終わりにします。 中途半端ですけれども。
質問ありますか。 柿内LIBORって銀行どうしの取引のレートですよね。
企業と銀行の聞のスワップでもLIBORレートを使用するんですか?LIBORはロンドン・インターバンク・オファード・レー卜の略です。 ですから貸し金などではM銀行等にT社が払うのはLIBORに上乗せした金利です。
ただ金利スワップでLIBORそのものを使うというのは一種の慣行です。 企業の信用力を反映する上乗せ金利はこのLIBORのほうではなく固定金利のほうに上乗せされます。
固定が5%じゃなくて、クレジットが悪いから5.3%よこせとかね。 さきほどの質問と同じなんですけど、結局、T社とM銀行がなぜやるかね。

黒須銀行取引をするときにはT社のメリットは理解できたんですけど、M銀行はどういう思惑でこの取引をするのでしょうか。

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